とある２人 ver.1

大人ななつきは、こういうことしてたらいいなっていう理想


ほのぼの

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あるアクセサリーショップに仲睦まじい夫婦が一組。


ペアのブレスレットを物色中のようだ。




「これもいいんじゃないか？」

「そうやねぇ。色もえぇ色やし。」

「あぁ。お前によく似合うよ。」

「そう？」

「私はどうかな？」

「よぉ似合うてはるよ。」

「じゃあこれにしようか。」

「はい。」





聞こえてくる会話はどれも新婚のよう。
会計を済ませた後がこれまた甘い。





「静留、左手。」

「つけてくれるん？」

「あぁ。」


……


「よし。」

「おおきに。」




なるほど
ちらりと見えたその白い手首とブレスレット。
いいセンスだ。


おっ右手上げた。
こっちの人もつけるのか。




「私にもつけてくれ。」

「なんでなつきは右手なん？」

「ん？」




終始楽しそうな笑顔が、少しだけ悪戯をする子供のような笑顔になったと思ったら
その視界の下できゅっと彼女の左手をとる。

なんだろうと視線をふたりの間に落とすと
あぁなるほど。


つけられたばかりのブレスレットが重なりあっている。














彼女は本当に愛されているようだ。




歩きだしたその人の隣で、人知れず静かに微笑んでいたのが
きっと何よりの証拠。