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静留の永遠の望み
満月の夜は
淡い光が私を抱きしめるなつきを照らし出す。
きっとなつきは今
私の犯した罪さえ背負っている。
分かるんよ。
顔が見えへんでも。
こうして胸に抱かれているだけで。
触れているだけで。
うちにはちゃんと分かるんよ。
「な…つ…」
なぁお願いやから。
「静留っ……」
そない綺麗なものを見るように優しく触れんといて。
そないな風に触れられたら
「ごめんっ……」
ほんまに罪が消えていくような気がしてしまうんよ。
うちも綺麗になっていく気がしてしまうんよ。
綺麗になれるような気がしてしまうんよ。
お願いやから
「しず…っる…きれ…だっ…」
そない必死に紡がんといて。
嗚咽を堪えて途切れ途切れに。
それでも必死に綺麗だなんて言われたら
「なつきっ…」
温かい身体にしがみついて
そして
思ってしまうから。
「し、ずる!起き…っ」
なぁ。
あんたの傍に居るうちは綺麗なん?
あんたの中のうちはまだ綺麗?
綺麗なままでええ?
もしあなたが許してくれるなら
私は
「きれいに、なりたっ…」
望んではいけないことだと分かっていても。
それでも
「きれいに…っ」
少しでいいから。
「静留…」
ほんの少しでいいから。
「お願いやかっ…」
あなたの手で。
「きれいにしてっ…」
その腕で強く抱き寄せて。
「お前は、きれいだ…」
綺麗だと囁いて。
「なつきっ、なつき…」
離さないで。
「きれいだ……きれいだよ静留…」
せめてあなたといる私だけは
「なつ……」
いつまでも綺麗なままで
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